嗜虐
嫌いな物は何か?
蒙昧な無邪気さを装っている。
『人と食事を囲む事』
『人と並んで歩く事』
『誰かと一緒に』
最後の方はもうとうに興味も失せていて記憶の何処を探しても見つからなかった。
けれど
けれど何だか俺は、そいつが同じ年まで生きてきた事が間違っているんじゃないかと直感した。
奴は透明だった。
ただ誰の目にも映らない影に仮に名前を付けたとして、果たして人と表現出来るだろうか。俺には違和感だけが残された。
奴は何処にも存在などしていない。
多分きっと、明日には影すらもなくなると。
俺は考えた。
消すのと消えるのと。
どちらがより、有益なのかと。