たからもの

 暗路を進む勇気もなく昼日中の街道を堂々と歩く自信もなくただ街灯の並んだ薄暗い道だけを選んで行く。真っ黒に塗り潰されていない道を辿って。
 宝物を見付けておいでと言われた。それ以外に道はないのだと。それまでは決して戻って来てはいけないよ。
 唯一の値札が僕にとって意味がないように、無理に見付けた結果が腕の中で干からびていくのを待つ。それは本当の唯一がないと分かった惰性の延長でしかないのに、不思議と涙が溢れていった。
 何処にも通じない道だけ目一杯に広がっている。でも宝物は何処にも無い。
 それだけを見付けて、僕は。