同じクラスの僕らが同じだったことは殆どなかった。選択教科も違う教室、部活が一緒だったこともなく、挙げれ始めばキリがないほどもうからきし共通項がない。あらゆる美点欠点を突き合わせて並べてみても、その差には恐ろしさを覚える。クラスメイトとの唯一同じものといえば誕生日くらいなものだった。
いや嘘だ。一応性別も同性だ。生まれてから男でなかったことはないし、誕生日も変動した試しはない。ある人がいたら方法を教えて欲しい。何せ全く同じ誕生日の他人を気にかけるようになってしまったのだから。
下校途中。校舎から見えた巨大な球形のガスタンクのシルエットが、今やコインランドリーに整列する洗濯槽の影に没して消える。夜、街中のライトアップされた通りに並んだベンチが二脚分ぽっかりと空いている横を過ぎる度、居もしない幻燈に振り回されている。
八月二日のたった一日だ。ただ同じだけだった。きっかけは単純だった。
夏の真っ只中に生まれると、夏季休暇が何となく嫌いになる。曜日はともかく学校で誰かに触れて貰える機会を失ってしまうからだ。祝って貰いたかった、なんてちっぽけないじましさが発端となった思い出話が、僕らの間に思いの外良い効果を齎したのだ。
だけどそれだけ。友人と言って貰える関係だったか自信がない。
今からすればもう遠い昔に起きた、実に取り止めもない時間だった。
だけど何度となく繰り返してしまう。
もっと同じだったのなら、良かったのに。