◼︎ピュクシス

 ぱきん、と弾ける。 割れる。
 盲目と憐憫とに脅かされて 砕けてしまう。一欠片を残さず、温く溶け出した。抗いもせず、無慈悲に歯を立てる。

 が゛りん

顎から伝わる感覚は、凡そ不愉快な感傷を挽き砕く振り子の様に何度も何度も、噛み砕いては喉の奥が冷えていく。凍えて、声が凍ってしまうまでひたすら砕く、砕く。
叫びが聞こえていかぬよう、蓋をする。開かれてはならない災厄に、手をかけてはならないと固く誓って。きっと、底に残されるものは希望の猿真似をした悪夢に過ぎなかった。
なのに夢を壊したのは、紛れもないその熱だった。