トライボロジー

 けどまぁ、と物集は駐車場に差し始めた陽光が顔にかかるのを眩しがって双眸を眇める。何だかそれは見知った、もう何年も前から知っていたような懐かしさを持っていた。

「出来るだけ長くかかればいいんじゃない」
「気長過ぎますよ、そんなの」
 
『出来るかなぁ——』
 ぽつり落ちた不安をまで、物集は拾い上げるようにそこから手を差し伸ばした。気長だ。気長で、優しい人。後からついていくのでやっとの俺が出来たのは、みっともない有様で作るぐちゃぐちゃの顔ばかりだった。